第218章 啓星医療の社長

グラスの壁面は微かに冷たく、揺らめく真紅の液体を、福田祐衣は躊躇うことなく一気に煽った。

ワイン特有の渋みが喉を焼きながら滑り落ちていく。彼女は空になったグラスを置くと、すぐに二杯目を手に取り、またしても一息に飲み干した。

三杯目で、福田祐衣の手が止まる。

一度瞼を閉じ、再び目を開いて向かい側の男を見据えた。その口調はあくまで平坦だ。

「啓星医療の社長というのは、想像以上に個性的な方のようね。顔を合わせるだけでこれほどの手間を取らせるなんて。この酒を飲み干した先に、一体どんな人物が待っているのやら」

秘書とおぼしき男は、薄い笑みを浮かべた。

「言葉では言い表せないほど、高貴な方で...

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